ken jig 5

Dolphin
ドルフィン       

 

「Dolphin コンセプト」

ここに至った理由

 前作までの「シーホース」と「YAIBA」は,おかげさまで好評で,6月になったら「YAIBA300−40cmオーバーをつくるぞぉ!」と意気込んでいたのですが,ここに来て自分の中に一つの疑念がわいてきた。その疑念とは「本当に40cmなんて長いジグで釣れるのだろうか?」ということである。

 ある,関係筋(?)によると長いジグにはコマサしかヒットしないというデーターも聴こえてくる。その疑念を晴らすべくここ3回ほどの釣行で,自分なりに33cmのシーホースやYAIBAを駆使してみたが自分の腕が未熟がゆえにその真価を問う事すらできない状況であった。

 しかし,そんな状況にあっても皆様から寄せられるメール等には300g以上のヘビージグを作ってほしいという願いが多く寄せられる。それならいっそのこと新しいジグを最初っから設計してみようかなという気になってきたのである。

気になるデザインは?

 それにしても,相変わらず良くつれるジグとしてシーホースの180g−25cmが目立ってもきた。そこで過去に自分の中でよくつれたジグについて考えてみる。

 上から,ジャックナイフの180g,オーシャンスタイルの250g,クレイジーロング320gの改造で190g,初代KENJIG150g,シーホース180g,アイルメタルCSの250gである。

 こうしてみると,長さは19cmから25cmが多い。YAIBA200と比べると3分の2ほどである。あともう一つ気になる点として,幅(体高)である大体が2cm以上はある。この幅がどの程度影響するのかわからないのでとりあえずこんなものを作ってみた。

 見ての通り,YAIBAである。過去に200g−33cm,180g−29cm,150g−23cmと作ってきたが,今ひとつ反応が悪い(つれていないわけではない)。特に自分では150g−23cmというものは使った事が無かったので,それに近いものとして,自分用にきっちり25cmを作ってみた。重さは170g強である。

 こいつに良い反応が見られるとしたら超ロングジグコマサ説も真実味を帯びてくるかもしれない。また,同時に上のクレイジーロングの改造190g,を使うと幅の関係も見えてきそうである。ついでに,目玉も3Dとブラックシールの2種類を作ってみた。

 まぁ,こんな事ぐらいで何がわかるのかって気もするが何かしない事にはアイディアも浮かんでこない。

 

2003.6.29の爆釣から

 この日,初めて上の25cmYAIBAを使ってみた。使った感じはとても良かった。何しろフォーリングが早いし,引き重りもほとんど無い,そのくせラインテンションを緩めると簡単に横を向く。

 実際,このジグ初おろしの第1投目からヒットしてきて,その後もかなりのヒット率があった。残念な事に2本とも10回も落とさないうちに根がかりしてしまったので堪能するまでにはいたらなかったが,かなりの手応えを感じた。

 ただ,この日は魚の活性が異常に高かったので33pのYAIBA200gでも3匹ゲットする事ができた。そのため長さによる釣れやすさも今ひとつ検討しがたい状況ではあった。

 しかし,21匹も釣ってきて何も無いのかと言うとそうでもなく。今回釣り上げた魚のうち最大のブリ5sとヒラマサ3.5sはいずれもシーホース180gによるものであった。

 そしてなぜかYAIBA200gで釣れたのはいずれも3kg程度のブリであった。つまりこの日ヒットしたブリ4匹のうち最大(5kg)のものはシーホース180g(25cm)で残りの3匹が33cmのYAIBA・・・

 もしかして,30cm以上のジグは3s以下のヤズ(ブリ)に強いと言うのは本当かもしれない・・・

 

2003.8.1のボーズから

 この日は,船中ヒラマサ2本というとても渋い状況であった。久しぶりに幸漁丸に乗るということでオシアジガーの3000にPEの8号,2000にPEの6号を使った。超ロングジグの釣果に自信がなくなっていたのでどっちにもシーホースの180gをつけた。

 フォーリングスピードには結構自信があるのだがさすがにPE8号と太リーダーでは,80mを過ぎた付近から極端にフォーリングスピードが落ちる傾向にあった。

 こんな場面ではやはりもう少しヘビーなジグが要求されるようである。ちなみにこの日結局自分はボーズに終わったわけであるが,唯一ヒラマサらしき魚をヒットさせ,リーダーとスイベルの結び目が切れてばらした時のジグは,上のYAIBA170gであった。

 PE5号のスピニングで遠投し斜め引きをしていた時のヒットであった。比較的浅いポイントであったため170gでも釣りになった。

何しろこの日の数少ないヒットのうちの一つを25cmのYAIBAで得た事は今後の製作のサイズに大きく影響しそうである。

 

で,↓こうなりました

ドルフィンのコンセプト


↑クリック

 

 

「Dolphin 製作編」

 

さぁいよいよ構想も出来上がってきたので製作にかかることにした。

@サイドデザイン

 

 基本的なサイドデザインは前々作のシーホースで採用したS字デザインを用いる事にした。今回は同じS字でもシーホースと反対のS字にしてやや幅を広く取った。一瞬フロントヘビー?と思うかもしれないがほぼセンターウェイトになるように厚みで調整する予定である。

 シーホースの180gと比べるとこんな感じになる。K5ではこの長さで200g強を考えている。

 

A原型製作

前回はバルサ材を用いたが,今回は原型の材料として杉材を使用した。

色々な角度でどうぞ。

 
(左)

(真上)


塗装して表面をツルツルにしてから使う。

 

B鋳型製作

 前回までの来画製の耐熱シリコンから今回は「旭化成の耐熱シリコン」を用意した。どちらでも構わないのだが,こっちの方が少し安価であった。 基本的な作り方はkenjig3から変わっていないので説明は省略する。

 変更点として,kenjig4からは空気穴を全く無くした。それによって湯口以外は無駄な部分が出ないので製作が楽である。デメリットというと注ぎ口の穴を少し大きめに作らないと空気が抜けないということくらいである。

 

C鋳込み

 鋳込み作業も,以前から特に変わったことはしていないので説明は省略する。

 写真は鋳型から出して湯口部分やバリをとったものである。

 予定では,200gであったが,思ったよりも厚さがありおよそ250gになった。

D塗装

 塗装の工程も作り始めた頃とそう大差はないが,コーティング剤の種類や使う回数,塗料の種類など少しずつ研究してよりレベルの高いものを目指している。

 

(今回は時間の都合でとりあえず。下地塗装やカラーリングなど省いたものを数本作ってみたので参考にして欲しい)

 

 

2サイズ追加

今回のK5は「しっかりアクションするヘビーなものを」というコンセプトで作っているが,実際に自分が普段よく使うサイズは200g前後である。そこでとりあえず210gと180gの2サイズを新たにラインナップにくわえてみた。

 写真は上から「Kenjig5」が3サイズ,続いて言わずと知れた!?爆釣ジグ「シーホース」,一番下が最近遠投斜め引きで絶好調のYAIBAである。

 どれもアイを除いておよそ25pにそろえてある。しばらく,この25pにこだわってみたいと思う。

 

ken jigはセンターウェイト!

 私が作るジグのこだわりとしてセンターウェイトがある。

上の写真は,シーホース,ドルフィン,YAIBAをボールペンの上にバランスが取れるようにおいたものである。どれもほぼセンター付近に重心があるのがわかると思う。フォーリングスピードを維持しながらしっかり泳ぐセンターウェイトそれがken jigだ。

 

今後の展開

 上の3サイズを使ってみた結果次第では。300g以上も作ってみようかと考えている。しかし,自分ではあまり使わないウェイトになるのではっきりと約束ができるものでもない。