「Ken jig 製作例」

ジグを作り始めてはや○年,製作方法もある程度確立してきたので製作例を紹介します。

@設計

 

 「設計」なんてかっこいい事を言っているが,その大部分は,頭の中で出来上がる。今までの経験をもとにとにかくイメージしまくる。そしてそれを図に表すが,一人で作るものなのであまり多くの図は描かない。作図にはコンピュータを利用する事がほとんどである。

 

A原型製作

 設計をもとに,木材で原型を作っていく。ここで重宝するのがベルトサンダーとバンドソーである。板を大体の形に切り抜くのにバンドソー,それを削るのがベルトサンダーである。ン万円もする機械であるがあるのと無いのでは作業性に雲泥の差が出る。(二つ合わせて8万円くらいかな?高かった・・・)

塗装して表面をツルツルにしてから使う。この時の針金は普通の軟らかいもので良い。

 

B鋳型製作

 「旭化成の耐熱シリコン」を最近は良く使う。基本的な使い方は購入すると説明書が着いてくるが,ざっと説明をする。

 まず,粘土に型を半分埋める。粘土と原型の間に隙間ができないようにきれいに埋める。方合わせようの凹を付けておく事と,湯口の場所も線を引いておくと後で楽である。

 離型剤を塗っておくと粘土がはがれやすい。シリコンと硬化剤を混ぜて型に流して固まるのを待つ。およそ3時間ほどで固まる。間違っても1週間なんて待ってはいけない。シリコンが若干収縮してしまい。原型がはまらなくなることがある。片面ができたら原型を外さずにそのままもう反対側を作ることをお勧めする。

 

 反対側を同じ要領で作り,固まったら中の原型を取り出し,良く水洗いし離型剤をとる。乾いところで,表面処理剤を金属があたる部分に塗る。これは,バール粉末で赤ちゃんのお尻に塗るベビーパウダーみたいな役割を果たす!?

 ここで,用意するものは,はかりと容器,離型剤,表面処理剤,木枠,クランプ,そして耐熱シリコンである。耐熱シリコンはひと缶1kg入って数千円,大体2本分程の量である。あとはかりはデジタルのほうがわかりやすい。できれば電子天秤などあると硬化剤を正確に測るのにはよい。はかりは2千円前後であるが,電子天秤は数千円以上する。

 

C鋳込み

 鋳込み作業はどうしても片手でできるものでは無いので写真も撮れない。とりあえず必要な道具類を説明する。

 「電気コンロ」ガスよりも火力は弱いが扱いが楽で持ち運びも便利である。最低二つは必要である。一本作るならそうでもないが,連続して作るなら,一つは溶かすのと材料の調合専用で比較的大きな鍋が良い。もう一つは注ぐの専用である。この辺は専用のほっとポットなるものもあるが,大量生産向きでは無い・・・というほど大量には作らないが・・・

 「温度計」写真の右端にあるのがそうで,これはテスターであるが,熱電対で温度を1000℃まで測定できる。周囲の温度も測れるので真夏の暑さや真冬の寒さも一層身に染みる一品である。これは無くてはならないものでしょう。温度管理をきちんとすることで失敗がかなり減ります。

 あとは,ベンチ,ニッパ,鍋つかみ等。案外お金はかかってなく,1万円数千円あればこのくらいそろうのではないだろうか?

 あと金属は,いわゆる硬質鉛というのを使う。鉛とスズとアンチモン等の合金である。

鋳型から取り出したらこれまた。ベルトサンダーで軽く仕上げてブランクの完成。

 

 

D下地塗装

 ウレタンに数回ドブ漬けして表面を滑らかにして。そのジグのカラーに応じて,ホワイト,銀,金等のペンキを吹き付ける。

 ウレタンは,1.6Lで4千円くらいの案外高価なものを使用。ペンキはその辺のホームセンターに売ってあるもので上等である。


↑こんな感じになる(下3本)

 

Eホログラム張付

 実は,この作業は結構集中力と手間がかかる作業で,忙しいと作業を始める気になれない。

 シールは,通販でまとめ買い,10mで8千円前後。さすがに機械の導入はむりかな? 

 

Fカラーリング

 私は,水性系のホビーカラーを使っている。油性の方がきれいに濡れるかもしれないが,あれは体に悪すぎる。

 この段階が実は一番設備投資が大きいかもしれない。あと結構気を使うので自分で使うジグにはほとんど色をぬることは無い。

 

必要なものは,コンプレッサー,エアタンク,レギュレータ,ホース,ジョイントの類,エアブラシのハンドピース。換気扇,消耗品として塗料一式。多分全部で10万近い。


これが噂の?サイレントコンプレッサー4万円オーバー!深夜でも冷蔵庫並みの音量です。


 タンクとハンドピース,そして塗装ブース?。エアタンクが無いと一分に一回くらいコンプレッサーがオン・オフを繰り返します。あと,これがあるとタイヤの空気入れもすぐできちゃう優れもの!,ハンドピースは二つあると何かと便利だすよ!一式,3万円前後かな?

塗装ブースはコンテナに日本通運の段ポール。しかし,なぜかこのダンボールが測ったかのようにぴったり合ったからびっくり。


忘れちゃいけない換気扇,水性塗料でもアルコール系の溶剤使うので換気は大切だ。

 

Gコーティング

 カラーリングを施したものは,トップコートをスプレーしてからコーティングにかかる。ウレタンに数回ドブ漬けして完成である。この作業が一番楽であるが,一回忘れると,半日作業が遅れるの難点である。ウレタンは一月以上乾燥させた方が一層強くなるようである。

 

おしまい。

Kenji matsuo -k-matsuo@sweet.ocn.ne.jp